
八軒町で営まれていた高山中華そばの名店「豆天狗」。その味と名は安川通りの「豆天狗」へと受け継がれたが、惜しまれつつあの場所をクローズして5年、創業者である富田さんが新たな店を開いた。その暖簾がかかるのは、〈稲荷湯〉裏にかつてあった鍛冶屋〈中山突鎭館〉跡。富田さんと妻の佐登子さんの2人が切り盛りするこの店で、あのラーメンがまた味わえる。
「出かけてもいつも日帰りで、働き抜いた40年。店を閉じてからの5年は、妻と一緒にキャンピングカーで日本中を回りました」と富田さん。行きたいところへ行き、見たいものを見た充実した時間が過ぎた後、佐登子さんからかけられたのが「2人で好きな時にまたラーメン屋やらん?」という言葉だったという。
客席と同じくらいにスペースを確保した厨房には、スープを作る大きな寸胴が並び、隣室で稼働させる製麺機で自家製麺が提供される。「全部が手作り。自分が美味いと思う納得の1杯を、こんどはのんびりしたペースで提供していきたい」と富田さん。それゆえこの店の開店日はインスタをチェック。店名が染め抜かれた暖簾をくぐって、あの味に巡り会いたい。


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